静岡県 静岡市   病院の移転を巡りタウンミーティング

老朽化した桜ケ丘病院(静岡市清水区)の移転や市役所清水庁舎の移設について市が説明するタウンミーティング(住民説明会)が六日夜、清水桜が丘高校で開かれた。同校がある岡地区は病院の地元で、庁舎への移転に反対する住民が多く、会は冒頭から大荒れに。住民側は市側の説明に最後まで猛反発し、歩み寄りはないまま時間切れで終わった。

 三百八十人が詰め掛け、会場は通路までいっぱいになった。田辺信宏市長は、区中心部にある清水庁舎をJR清水駅北側の東口公園に移設して庁舎跡地に病院を移転、中心部に機能を集約すると区全体のまちづくり構想を説明。声はたびたびやじでかき消された。

 質疑では「本来こうした説明会をしてから病院運営法人に(移転先の案を)持っていくのが普通だ」と、移転先選定の経緯が不透明だと批判が出た。東日本大震災を教訓に、市や病院運営法人が示している防災対策への不満も次々噴出した。

 住民投票をする意向を問われた田辺市長は考えはないと否定。現在の計画を変更する意向もないと説明すると「結論ありきだ」と怒号が飛んだ。田辺市長は「防災も大事だが経済も大事。理解してほしい」と求めたが、収拾がつかなかった。

 清水庁舎、東口公園ともに津波浸水の恐れがあり、岡地区では庁舎ではなく、病院現在地近くの高台にある清水桜が丘公園への移転を求める住民が多い。

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